営業の分業を行うことで契約承諾率の向上を目指す企業が増えてきている中、営業の平準化や顧客情報の共有が必要不可欠となってきています。しかし、日本企業では営業活動が属人的な傾向があり、育成プログラムも定まっていないのが現状です。

そこで、セールスイネーブルメントにて営業活動の強化と平準化を目指すことができます。

1.セールスイネーブルメントとは

 そもそも、「イネーブルメント」とは「有効化」や「~ができる」、「主張などを何回かに分けて支払う」といった意味があります。そして、「セールスイネーブルメント」とは、「営業活動において継続的に成果を上げていくことを目的とした、営業組織の強化・改善を行う総括的な取り組み」を意味します。

 

2.セールスイネーブルメントのメリット

 セールスイネーブルメントのメリットは3つあります。1つ目に「営業力向上」、2つ目に「顧客の需要を明確に把握できる」、3つ目に「試作ごとの貢献度の可視化」があります。

 

2.1.「営業力向上」

 営業活動は行うことがマニュアル化されておらず、各営業社員に任される項目が多いです。そのため、営業組織全体の再現性のある取り組みを行うのは難しい一面があります。しかし、セールスイネーブルメントを取り組むことで、組織全体の育成プログラムの構成や営業ツール開発と活用を取り組むことで、組織全体の営業力向上と営業力ノウハウの平準化を達成することができます。

 

2.2.「顧客の需要を明確に把握できる」

 顧客の価値観は多様化してきて織、複雑かつ細分化しています。このような顧客の需要っを明確に把握できることもセールスイネーブルメントが注目されている理由です。

日本の企業でも、顧客の需要を把握するため、マーケティングが行われていますが、マーケティングで獲得した顧客が売上につながっているかは、営業部と意思疎通が取れないと計測できません。

マーケティング部と営業部の現状を理解できる人材は少ないですが、統合するセールスイネーブルメント部を設置することで自社商品を求めている顧客増屋、刻悪の需要を明確に把握できるようになります。

 

2.3.「試作ごとの貢献度の可視化」

 人材育成にかかる費用対効果を認識している企業は少ないです。更には日本企業は、人材育成プログラムの実施が目的となっています。本来、人材育成は営業力向上のために実施するものなので、人材育成の投資対効果の検証を行う必要があります。

 セールスイネーブルメントを取り組むと人材育成プログラム実施後に効果検証のサイクルが実現するため、人材育成の投資対効果を検証できるようになります。

 

3. セールスイネーブルメントの市場規模

 セールスイネーブルメントの市場価値としてアメリカ企業の調査機関によるとセールスイネーブルメントの導入率は2013年からの6年間で3倍強となり、2019年には61.3%もの企業が導入している。更には大企業だけではなく、51~250名小中規模企業でも導入率は7割を越えている。最後に、導入による効果は、セールスイネーブルメント未導入と比較して成約率が15%向上すると報告されています。

 

4.セールスイネーブルメントの取り組み方

 冒頭の通りセールスイネーブルメントとは「営業活動において継続的に成果を上げていくことを目的とした、営業組織の強化・改善を行う総括的な取り組み」であり、先のように日本企業の導入率向上や導入による成約率向上も目指すことができます。そこで、セールスイネーブルメントの実現に向け以下のステップで実行していきます。

 

1.営業データの収集と整備

  営業データの収集と整備の方法にてSFA/CRMツールの活用をすることで営業データを蓄積していきます。営業データの収集や管理を定着させることがセールスイネーブルメントには必須の取り組みとなります。

 この初期段階で、顧客支店の営業フローの設定屋営業データの管理項目設定、マネジメント層に寄るリアルタイム管理を可能とする環境整備を行っておきましょう。

 

2.対応部門の設置、人物のアサイン

 営業・マーケティング・人事・製品主管部署・情報システムなどといった対応部署の人物と協力することで成り立ちます。そこで、セールスイネーブルメントの兼任、専任部門の設置、もしくは担当者をアサインし、各工程と対応部署との連携準備を行います。また、セールスイネーブルメントは一時的な取り組みではなく、継続していくものです。そのためセールスイネーブルメントに向いている人材の要件として、「営業が好き」、「営業を分析するのが好き」、「人に興味があり、人の成長支援をしたい」のような要件が上げられます。その他にも、基本的なコミュニケーション能力や分析思考力、プログラムプランニング能力、体系化スキル、営業理解、経営ニーズ等への理解があればより良いですが、それ以上に先に上げた3つの要件が大切です。

 

3.プロセス設計・プログラム開発

「営業活動成績が高い人がやっていることは何か」という観点から、営業実践に特化した育成プログラムの構築、実行を行っていきます。

 例えば、商談化率が高い自社の営業飼料や外部資料を集約し、「営業成績が高い人」のノウハウ提供や、行動パターン分析などをもとに教育プログラムやツールを作成していきます。そして、個人で誰でも使えるように汎用化、体系化し、営業メンバーのツールとして提供することを目指します。

 加えて、講演会などのイベントを定例で実施するのも効果があります。

 

4.営業成果の検証・分析・報告と今後のテーマを検討

 ここでは営業チームのトレーニング・検証・分析・報告といったPDCAサイクルを回すことが大切です。

 トレーニングでは、社内杯パフォーマーの知識・経験や、成功事例などを他チームと共有し、体系化をすることで、教育プログラムとして生かしていきます。

 教育プログラムは大きく分けて2つあります。1つ目に基礎的なプロセス理解やツール・コンテンツの活用法などといった立ち上がりの「オンボーディング・トレーニング」と、案件や受注といった売り方や商材を理解する「営業トレーニング」があります。

 続いて検証・分析では営業担当がデータを蓄積し、担当者が蓄積された営業データを分析して、全社員に浸透する育成プログラムや営業ツールの開発を行います。

 このような形でPDCAサイクルを循環させることで育成プログラムの結果、どのような効果が得られたか共有して人材育成が経営に直結する仕組みを構築していきます。

 

5. セールスイネーブルメントを実施する際の注意点

 セールスイネーブルメントを実施する手順について注意点があります。

1. 単体のデータだけを見てはいけない

 セールスイネーブルメントは、営業データを活用することで、成果を輩出する人材への教育プログラムづくりを目指します。営業データにおいては、単体のデータを見るのではなくデータベースに蓄積された大量の営業データを解析して、売れる営業手法を見るけだし、育成プログラムを実施することで高い効果を期待できます。また、より多くのデータを蓄積することで組織全体の営業力向上や標準化を目指すことができます。

 

2. セールスイネーブルメント推進担当を置く

 営業力強化は、営業部門はマーケティング部門で実施されることが多いです。日本企業ではセールスイネーブルメントが広く普及していないためセールスイネーブルメントの経験を保有する人材がなかなか見つかりません。そのため、「2.2対応部門の設置、人物のアサイン」で上げたスキル要件や、マインドセットを持った人材の育成や発見を心掛けましょう。

 

3. 投資効果が見込めるデジタルツールを選定する

 日本企業ではデジタルシフトが遅れていたため、デジタルツールの導入が目的かしており、データをうまく活用できていません。そこで、導入目的や活用方法を具体的に考えて良き、投資効果が見込めるデジタルデータツールを選定して行くことが大切になってきます。

 

6.セールスイネーブルメント理解へのおすすめ書籍

 「セールスイネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方」

  山下貴宏著

 セールスイネーブルメントをテーマとした講演実績も多数の山下貴宏氏の著書です。

 

定義や概念、イネーブルメントの必要性、構築方法、プロセス設計方法、といったことが説かれてるだけでなく、Sansan、セールスフォースといった具体的な企業導入事例も紹介されています。

 

 「営業力を強化する世界最新のプラットフォームセールス・イネーブルメント」

バイロン・マシューズ、タマラ・シェンク、富士ゼロックス総合研究所

 

 豊富なデータ屋ベストプラクティス事例とともに紹介した「セールスイネーブルメント」の超実践的ガイドブック

 

セールスイネーブルメントの土台、セールスイネーブルメントのモデル紹介、提供サービスの詳細、営業成果の測定方法、未来のセールス像について、どいった形でセールスイネーブルメントの理解を深められます。

7.まとめ

今回はセールスイネーブルメントについてまとめてみました。セールスイネーブルメントを行うことで営業活動の活発化を図り、売上向上を目指しましょう。