インターネットなどで大量の情報を獲得できる現在では、一人で効果的な情報を獲得しアプローチをかけ、クロージングまで行うことは困難になりつつあります。

そこで、営業活動をアプローチからクロージングまで一人でやるのではなく、営業活動の分業化をすることによって効果的かつ効率的に情報の活用を行う分業方の営業スタイルが導入され始めています。

今回は分業型の営業スタイルとして、売れる営業プロセスの仕組み「The Model」を紹介させていただきます。

The Modelとは

「The Model」とは、営業やマーケティングに発生している旧時代と新時代のビジネスのギャップを考慮した営業モデルです。

この営業モデルでは「お客様の成功と共に売上拡大・成長する仕組み」が基本としてあります。

日本企業の旧時代の営業スタイルでは、電話アポイントを取り、初回訪問から数回のセールスを経て案件化し、いくつかの商談を重ねて受注に至るという、いわゆる「足で稼ぐ」タイプの営業でした。

ですが、インターネット上の情報量が増加してきた新時代において、旧時代の営業スタイルは想定する成果を上げられなくなっています。

原因として、ほとんどの企業では決済プロセスは、半分以上がインターネット上で完結していることであると考えられます。また、効果的なマーケティングを日本企業では取り組めていない現状があります。

The Modelのメリット

The Modelのメリットとしては以下の4つが考えられます。

順番に紹介させていただきます。

部門ごとに専門性や効率を高められる

営業活動のプロセスを1人で行うことは、効率性に欠けます。

The Modelのように業務を細分化することで、部門ごとの専門性を高めることができます。

集中的に業務を行うので効率化が進み、結果より多くの顧客獲得や利益増加が考えられれます。

営業プロセスの分析ができる

The Modelを取り入れれば、部門ごとに到達目標が設けられているので、どの部門に問題があるかを可視化できます。

そして問題点を把握することで、トラブルが起きてもスピーディーにPDCAサイクルを回すことで、自社の営業力の向上が期待できます。

営業担当の変更などに対応しやすい

The Modelが構築されると、人材が入れ替わるタイミングでも営業力が落ちるリスクを防げます。

従来型の営業組織は担当者が1人で顧客対応をすることが多く、属人的になる傾向が強いという問題がありました。

しかし、The Model型の仕組化された営業組織では、一部の人材が入れ替わっても、全体的な営業力が極端に落ちる心配がありません。

再アプローチが効果的にできる

見込み客のすべてが、自社の商品やサービスの購入に至るわけではありません。

見込み客のうち購入に至らなかった人は、多くなってしまうでしょう。

The Model型の仕組みでは、購入に至らなかった見込み客を可視化し、マーケティング、インサイドールスによる長期的なフォローも可能になります。

また、継続的なアプローチによって、再び新規案件となることもあります。

The Modelと今までの営業組織との違い

旧時代の営業組織は、1人の営業担当者が見込み客の囲い込みから顧客のサポートまで、すべてのプロセスを対応することが当たり前であり、このようなケースでは、営業担当者の負担が大きく、効率的に営業活動を進めることは困難でした。

しかし、The Model型の営業組織であれば、営業活動のプロセスを細分化するため、効率が改善されることはもちろん、組織の専門性も高めやすくなります。

 

The Modelの営業組織構造

それでは、The Modelの具体的な仕組みを解説します。

The Modelでは営業プロセスを4つの段階に切り分けて考えます。

  • 第一段階「マーケティング」
  • 第二段階「インサイドセールス」
  • 第三段階「フィールドセールス」
  • 第四段階「カスタマーサクセス」

順番に紹介させていただきます。

 

マーケティング

マーケティング部門は、The Modelの方向性を決める重要な部門です。

潜在顧客を獲得するために、自社の商品やサービスのターゲットを見つけ出すことが求められます。

そのために、Web広告の出稿や展示会への出展などの施策を行う必要があります。

インサイドセールス

インサイドセールスは、マーケティング部門が見つけ出した潜在顧客へアプローチを行い、商談を進める部門です。

具体的な施策として、電話やメールを使って直接コンタクトを取る方法があります。

単に商品やサービスを勧めるだけではなく、継続的にコミュニケーションを取ることが重要です。

購買意欲を高める見込み客の育成も効果的に行うことができます。

フィールドセールス

フィールドセールスは、アカウントエグゼクティブ(AE)や外勤営業とも呼ばれています。

インサイドセールスが良好な関係を築いた顧客に対して、より具体的な提案を行う部門です。

自社の商品やサービスについての商談を具体的に進め、クロージングまで行います。

 

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、顧客のアフターフォローを行い、商品やサービスを顧客が最大限に活用できるようサポートする部門です。

顧客満足度の向上を図ることで、継続的な契約を獲得したり、新しい商品受注を獲得することが重要です。

 

The Modelの導入における注意点

The Modelを導入する際の注意点は代表的に3つ考えられます。

部門全体の到達目標も意識する

The Modelを活用する場合、部門同士が互いの到達目標を意識することが大切になります。

各部門で自分たちの到達目標のみが意識されている状態は、受注や長期的な契約につながりにくくなります。

部門間で顧客情報を共有する

旧時代の営業組織ではプロセスの分担がなかったため、顧客情報を共有する必要がありません。

しかし、The Model型の営業組織では部門が分かれているので、顧客情報をしっかりと共有する必要があります。

そのため,MA・CRM・SFAなどのビジネスツールを活用すると効果的です。

自社にあったThe Modelを活用する

The Modelを取り入れる場合、「マーケティング」・「インサイドセールス」・「フィールドセールス」・「カスタマーサクセス」のように部門を設けることが一般的です。

ただし、企業によっては必ずしもこの部門分けが最適とは限りません。

The Modelを導入する目的はあくまでも効率的に利益を出すことなので、仕組みをよく理解したうえで、自社に合った活用パターンを見つけましょう。

まとめ

今回はThe Modelについて紹介しました。

The Modelの導入は、営業活動を社内で効率化でき、高い効果を発揮できる仕組みですが、導入から軌道に乗せるためには、仕組みだけでなくノウハウやスキルが必要不可欠です。

また、しっかりとしたリソースを確保することで、The Modelの導入から軌道に乗せるまでスムーズに行うことができます。

営業組織の変革に向けて、参考にしていただければと思います。

 

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